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概要:メルカリは60代以上のフリマアプリ利用実態に関する意識調査の結果を発表。会場には、60代、70代ながら、20代並みにアクティブなメルカリユーザーが登壇した。
若者や主婦がコア層と言われるフリマアプリだが、その常識は過去のものになりつつある。
メルカリと言えば若者。そんな「常識」がいま崩れようとしているのかもしれない。
メルカリは3月11日、メルカリを含むフリマアプリの60歳以上のユーザーを対象とした意識調査の結果を公表した。
今回のメルカリの調査結果によると、同じ60代の非フリマアプリユーザーや20代のフリマアプリユーザーと比べて以下の傾向があるということだ。
メルカリが公表した調査結果のサマリー。
60代以上のフリマアプリユーザーは同年代と比べて、労働意欲が高く、人とのつながりを重視する
また、チャレンジ意識も高く、社会貢献活動にも意欲的
20代以上のユーザーと比べて最大の差異は、60代以上のユーザーの方がフリマアプリを通して「社会とのつながり」を実感している
メルカリ提供のデータをベースにニッセイ基礎研究所が監修する「みんなのかくれ資産調査委員会」によると、もっともかくれ資産が多いのは60代以上の女性で、10代の3.5倍にあたる1人あたり約50万円近いかくれ資産があると推計している。メルカリとしても、シニア世代は有望な「潜在メルカリユーザー」なのだ。
「メルカリが生活の3分の1を占める」と語る70代男性
同調査結果の発表会には、調査結果を具現化したような2名のメルカリユーザーが登壇した。そのうちの1人、五味春生さんは「メルカリが、生活の3分の1ぐらいを占めている」と語る。
五味さんは、クラリネットの演奏を60年続け、退職後は1年間ドイツのハンブルクでも学んだ。その後、山梨の家で民泊のオーナーとなり、Airbnbから最高水準の品質を評価されたスーパーホストに輝いた、いわゆる“非常にアクティブなシニア層”だ。
そんな五味さんがメルカリを始めたキッカケは、ハリネズミの小屋に入れる回し車に装着する自作のインナーカバーを作って売り始めてからだ。掃除の手間が省け、小動物たちの骨折を防げるインナーカバーはスムーズに売れた。
五味さんは既存の3段階伸ばせる譜面代を分解、切断し、可動範囲を2段階にすることで軽量化を実現。何台もの譜面台を改造するうちに実用性や丈夫さを保つノウハウが貯まってきているという。
その後、不要品はもちろんだが、五味さんが在籍するオーケストラでも好評だという独自に軽量化を施した譜面台や、自身で実用新案も取得したという管楽器を温める機械なども出品。現在までに約150品以上の取引を行っている。
五味さんは「不要品が購入者のもとで活用される。お金をもらって感謝もされる。そんな新しい発見と驚きが、メルカリに病みつきになった理由だ」と話す。
60代女性「スマホをいじれる限り、メルカリを使い続ける」
売るだけではないメルカリの楽しさ、を見つけたという毛利多起子さん。
登壇したもう1人のメルカリユーザーである毛利多起子さんも不要品や自らが作った「つまみ細工」などのハンドメイド作品を出品している。メルカリでの総取引数(購入も含む)は約700件にのぼり、「夜に出品して朝起きて売れているのを見ると本当にうれしい」と毎日の習慣や楽しみの1つになっていると明かした。
毛利さんがメルカリを始めた理由は、当初、年金生活の中でのおこづかいを得るぐらいの感覚だったが、今では「メルカリをやっていて生まれるコミュニケーション」が続ける原動力になっている。
毛利さんのつまみ細工。軽量だが高さがあるためヤマト運輸が配送する「らくらくメルカリ便」は使わず、定形外郵便に特定記録のオプションを付ければ400円程度で追跡可能な状態で配送できるなど、自身のノウハウも披露した。
例えば、発送の際に訪れる近所の郵便局では、窓口の人と世間話をするまでの仲に。メルカリのアプリ内でも、自己紹介欄に「何でも聞いてください、年齢が高い分、お答えできる事が多いとおもいます」(原文ママ)と記入したところ、商品とはまったく関係のない相談事が届くこともあるが、そこから取引につながることもあるという。
「スマホをいじれる限りは、メルカリを使い続けたい」そう語る毛利さんは、単に不要品の処分や安い買い物といった“お金”だけがメルカリを続ける目的ではないと話していた。
シニア層への取り組みを強化するメルカリ
写真左から五味春生さん、慶應義塾大学大学院 システムデザイン・マネジメント研究科の前野隆司教授、メルカリ執行役員メルカリジャパンCEOの田面木宏尚氏、毛利多起子さん。
調査結果を発表した慶應義塾大学大学院の前野隆司教授は「労働意欲や平均資産額のユーザー傾向と、フリマアプリの因果関係は、本アンケート結果だけでは不明」としながらも、「(フリマアプリによって)社会のつながりが増え、その結果として勤労意欲やチャレンジ精神が増えたという可能性はある」と語っている。
また、メルカリの田面木宏尚氏(執行役員メルカリジャパンCEO)は、今後のシニア向けに注力する内容として、各種イベントの開催や出展などのリアルな接点の創出と、スマートフォンを使わないユーザーもメルカリが使いやすくなるよう、現在は一部機能が制限されているウェブ版メルカリの機能拡充について語った。
ウェブ版メルカリは、日本郵政が配達する「ゆうゆうメルカリ便」が使えない、バーコード読み取りができない、5枚以上の写真投稿ができないなど、スマートフォンアプリ版と比べて使えない機能が複数ある。
出典:メルカリ
現在はまだ、メルカリのコアユーザーは20代の若者や30〜40代の主婦層。だが、2月には「月3万円を稼いでいるのは60代以上のユーザー」であることが明らかになっており、今回発表になった調査結果と合わせると今後も60代以上のシニア層が存在感を発揮していくのは間違いない。
ただ、毛利さんは「周囲に同じようにメルカリを使っているユーザーはいるか」という取材陣からの質問に対し、「正直に言うと、65歳以上(のメルカリユーザー)は皆無」と語っている。
メルカリは、家に貯め込まれた不要品を“かくれ資産”と呼んでいるが、ネットに慣れていないシニア層の“かくれニーズ”をいかにキャッチアップできるか、メルカリの今後の手腕が問われるだろう。
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