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概要:Swaha Pattanaik [ロンドン 25日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 欧州中央銀行(ECB)は苦況に向かいつつある。ドラギ総裁の後継者が経済活動の弱含みを受け、超低水準の政策金利を20年間維持して一段と急進的な措置を採用した日銀と同じ道をたどる可能性が高まりつつある。 金融政策の「日本化」は、欧州金融機関に多大な犠牲を強いて、中銀を一段と厳しい立場に追い込むだけだろう。 22日公表の購買担当者景気指数(PMI)では、製造業
Swaha Pattanaik
[ロンドン 25日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 欧州中央銀行(ECB)は苦況に向かいつつある。ドラギ総裁の後継者が経済活動の弱含みを受け、超低水準の政策金利を20年間維持して一段と急進的な措置を採用した日銀と同じ道をたどる可能性が高まりつつある。
金融政策の「日本化」は、欧州金融機関に多大な犠牲を強いて、中銀を一段と厳しい立場に追い込むだけだろう。
22日公表の購買担当者景気指数(PMI)では、製造業が約6年ぶりのペースで縮小し、ユーロ圏の景気鈍化が新たに裏付けられ、2%をやや下回るECBのインフレ目標実現もさらに遠のいた。債券を追加的に買い入れたり政策金利を低水準に維持したりしても、日銀の経験が示すように問題を解決できない可能性がある。一部のECB当局者が、日銀のイールドカーブ・コントロール(YCC)政策や株式買い入れさえも真似る必要があるかを非公式に検討するのも不思議でない。
日本の事例は今後何が起きるのかを示している。市場のゆがみは問題としては小さく、低金利や利回り曲線の平坦化が金融機関にどう打撃を与えるかがより大きな問題だ。ドイツ銀行がファクトセットのデータを使って算出したところ、日本の金融機関の平均利ざやは2000年の1.5%から0.9%に低下、株主資本利益率(ROE)は5%と05年から約半分の水準となった。ECBが日銀の黒田東彦総裁を真似るなら、この先ある種の痛みを感じる局面も出てくる。
ドイツ銀によると、STOXX欧州600種銀行株指数を構成する各金融機関の平均利ざやは1.65%程度。バリュエーションの面でも日本化が進む十分な余地が存在する。同指数構成金融機関の株価純資産倍率(PBR)は0.71倍、データストリームの日本金融機関指数は0.46倍だ。
ECBは、金融機関の健全性は主な懸念事項でないと説明することもできるだろう。それはその通りだ。しかし、ドイツ銀によれば、ユーロ圏では日本同様、企業の銀行依存度は資金調達ニーズの75%、家計の依存度は9割に達する。銀行にとって悪いことは、景気の悪材料にもなる可能性があるわけだ。黒田氏は、政策が金融機関に及ぼす影響について一段と敏感になっている。ECBは後発者として、黒田氏の経験から学ぶことができるはずだ。
●背景となるニュース
・IHSマークイットが22日発表した3月のユーロ圏総合PMI速報値は51.3と前月の51.9から低下、ロイターがまとめた予想中央値52.0も下回った。需要の大幅減を背景に製造業は約6年ぶりのペースで縮小した。
*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。
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