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概要:最終利益8割減の衝撃の決算を公表したぐるなび。再起のリバイバルプランは2年を要し、膿(うみ)を出し切る今期は営業赤字への転落を覚悟している。ぐるなびに一体、何が起こっているのか。
撮影:伊藤有
飲食店情報サイトの草分け的存在の「ぐるなび」が正念場を迎えている。5月13日に発表した2019年3月期の通期決算がかんばしくないのだ。
2019年3月期の通期売上高は327億2800万円(前期比9.7%減)にとどまったものの、営業利益は12億1600万円(同74.4%減)、最終利益は5億8100万円(同81.8%減)と、本業からの儲けの幅が急速に減少している。2017年3月期に過去最高益を更新し、順調な成長を続けていた同社は、なぜわずか2年でここまでの苦境に立つことになったのか。
決算説明資料では、いま、ぐるなびが置かれている状況の分析が詳細に書かれている。
発表済みの決算資料をもとにBI編集部が独自に作成。
決算資料が語る「3期に及ぶ業績悪化」の反省
決算資料は、その内容の大半を業績悪化の分析と、リバイバルプランの説明にあてている。業績悪化の要因は主に「3つの対応遅れ」あるとする。
出典:ぐるなび
ぐるなびは、飲食店情報サイトとして、日本のインターネット時代の幕開けとともに1996年からサービスを開始。このジャンルでは老舗中の老舗だ。
「強いプラットフォーム」という知名度の高さにあぐらをかいたとまでは思わないが、今の時代に合わせたユーザ体験や機能(ネット予約やポイント対応)、店舗側のニーズ(情報検索手段・販促手段などの対応遅れ)のキャッチアップの遅れは、「ぐるなび」ブランドの影響力低下に直結した。
決算資料で「送客力の著しい低下」とまで書いたことには、強い後悔がにじむ。
また営業面について「高額取引先への売上依存」という課題もあげている。効率化を追求したゆえにポートフォリオが偏ってしまう、というのは他の業界でもありがちだが、プラットフォーム本体の影響力(送客力)低下がある状態での特定の取引先への売上依存が、厳しい状況をもたらすのは容易に想像できる。
リバイバル2カ年計画
出典:ぐるなび
ぐるなびは、2018年3月期に発表した2019年3月期の通期業績予想でも大幅な業績の悪化を想定していたが、実際の着地は想定以上の悪化になっていたのが実情だ(最終利益は、当初予想65%での着地)。
ぐるなびは事業整理や収益体質の強化といった「全社的な再構築」を2年かけて行い、2022年3月期から、新たに成長転換する計画を掲げている。立て直しをはかる1年目の2020年3月期は、「ネット予約機能の利用促進」などの費用増加から、営業利益は35億円の赤字に転落すると見込んでいる。立ち直るための後退という位置付けではあるものの、厳しいシナリオだ。
出典:ぐるなび
出典:ぐるなび
ぐるなび復活のシナリオのキーの1つは、同社の資本業務提携先である楽天の存在だ。ぐるなびは5月13日付けで、楽天との資本業務提携の強化に向けた協議を開始していることを明らかにしている。
また、ネット予約サービスについても、すでに開始しているID連携による楽天スーパーポイント付与施策によって、前年比120〜130%で推移しているという。
飲食店情報サイトの本丸である「送客力」の向上を通して、再び本当の意味で「強いブランド」としてぐるなびが復活できるのか。しばらく目が離せそうにない。
(文・伊藤有)
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