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概要:ロボット“リストラか”とも報じられた「変なホテル」はいまどうなっているのか? 3月にオープンし、5月にRoBoHoNルームの本格始動を開始した西心斎橋のホテルに実際に泊まってみた。
3月にオープンしたばかりの「変なホテル大阪 西心斎橋」。
H.I.Sホテルホールディングスが経営するロボットホテル「変なホテル」。2018年末から2019年の年始にかけて、一部で「ロボットのリストラ」が報じられた同ホテル。2019年3月には大阪・西心斎橋、京都・八条口駅前にも新規拠点をオープンし、5月29日時点では全国15カ所で運営している。
筆者は5月25日にシャープのロボット型スマートフォン「RoBoHoN」(以下、ロボホン)のイベントに合わせて、西心斎橋店に宿泊。
本当に変なホテルは“脱・ロボット”しつつあるのか、確認してみた。
部屋はまるでスマート家電の体験ゾーン
チェックイン・チェックアウトは変なホテルではお馴染みの恐竜型の受付ロボットの指示に従う。
実は、筆者が変なホテルに宿泊するのはこれが初めて。第一印象は、ここは本当に“ロボットホテル”なのだろうか?という疑問だった。
確かに、受付には変なホテルの紹介写真などでよく見る恐竜型の受付ロボットが常駐しており、ロボットの案内に合わせてチェックイン作業を進めることができた。チェックアウト時も同様だ。
しかし、筆者の泊まった部屋にはロボットはいなかった……。長崎のハウステンボスにある変なホテルには、チューリップを模したキャラクターのロボット「ちゅーりーちゃん」をはじめとする多彩なロボットが部屋や施設内にいたと聞くが、今回の西心斎橋ではそんな様子はない。
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筆者が泊まったのはツインルーム(一般価格5300円税込)。ベッドは、フランスベッドの独自技術を採用したマットレスを使っている。
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ベッドの向かいには机と洗面台がある。机のとなりに洗面台があるのには驚いたが、鏡も大きく身支度を調えやすい。
個人的に、気に入ったのは風呂場。部屋のサイズは一般的なビジネスホテルのサイズと大きく変わらないが、風呂釜は広く深く、そしてトイレが別なのはうれしい。
どちらかと言えば、スマートホームのモデルルームのような体験ができるおもしろさがあった。
泊まった部屋は、一見すると新しくて清潔な普通のホテルの一室が、部屋の照明やテレビ、エアコンは備え付けのタブレットで操作できた。内線や外線の電話には、ソフトバンクが出資する無料のレンタルスマホ「handy」を使う。
hi Japanによる無料のレンタルスマホ「handy」が内線代わり。宿泊期間中は外に持ち出すこともできる。ただし、テザリング利用は有料だった。
and factoryが提供するホテル向けタブレット「tabii」で、家電などを操作。単なるリモコンではなく、指定した時間に照明とテレビがオンになると同時に音楽がタブレットから流れる「アラーム機能」は、朝に弱い筆者が最も気に入った機能。
また、1階にあるランドリースペースには洗濯機のほか、衣類のしわやほこりなどを取り除ける「LG styler」も設置されており、まさにスマート家電・スマートホームの体験スペースといっても過言ではなかった。
ロボットとしては、シャープのロボホンが活躍
変なホテル大阪 西心斎橋の3階はロボホンによるジャック状態。
とはいえ、「変なホテルでロボットは終わったのか」というのも、真実じゃない。
変なホテル大阪 西心斎橋ではオープン時からシャープのロボホンを設置した「RoBoHoNルーム」を試験的に設置しており、5月17日からは3階エリアの全15室まで拡大。利用者は宿泊中にロボホンに話しかけて、コミュニケーションをとったり、ホテルの施設情報や周辺の観光情報などを得ることができる。
RoBoHoNルームには、入口に目印がある。
RoBoHoNルーム(トリプル)の外観。机の上にロボホンがいる。
RoBoHoNルームで採用されているロボホンは、2月に発表された着座式「RoBoHoN lite」。故障や盗難を防ぐため、アクリル板で囲われている。
とくに、西心斎橋の部屋に設置されているロボホンは、これらの案内機能のほかに、日常会話や短い物語の読み聞かせをするコミュニケーション機能も備えているため、親子連れの評判も上がっているという
なぜ、タブレットではダメなのか?
RoBoHoNルームにも、ロボホンに加えタブレットやスマホが置かれている。
しかし、実用性の高い機能だけで見れば、前述のタブレットでも施設案内や周辺情報の検索はできる。また、変なホテルのロボホンは現状、照明や空調などの家電を操作できない。
では、なぜ現状の機能的には見劣りするロボホンを導入したのか。変なホテル大阪 西心斎橋のサブマネージャーを務める増田誠輝氏はその理由を「プロモーションと効率化」と語る。
プロモーションは、シンプルにロボホン自体の物珍しさをきっかけにホテルを認知してもらおうということだ。一方、効率化はおもに宿泊客からフロントやスタッフに対する問い合わせのコストを減らすという意味だ。
筆者は日頃からスマート家電に触れているためカンタンに操作できたが、初見では使い方のわからない宿泊者ももちろんいる。
前述のように変なホテル大阪 西心斎橋には家電を操作できるタブレットや無料のレンタルスマホが置いてあり、スタッフに聞かなくてもWi-Fiのパスワードや朝食やチェックアウトの時間を調べられる。
しかし、増田氏によると実際の宿泊客の中には「端末の操作に慣れておらず、結局はフロントでスタッフに問い合わせるというケースもあった」と、必ずしもホテル側の意図どおりにはいかないケースもあるそうだ。
「既にタブレットやスマートフォンの使い方がわからないお客さまも、話しかけて操作できるロボホンであれば、難なく使ってもらえるのではないか」(増田氏)というのが、ロボホンへの期待、ということになる。
ホテルのコンセプトとロボホンの特徴がうまくマッチ
「変わり続けることを約束するホテル」という変なホテル。
また、シャープでロボホンを担当する景井美帆氏は、変なホテルへのロボホン導入の要因について「保守などの管理面、容易なアップデート方法」も挙げている。
変なホテル大阪 西心斎橋に導入されているロボホンは2月に登場した足が動かないタイプの廉価版「RoBoHoN lite」だが、Wi-Fiでネットワークにつながる点やOSとして採用するAndroidでさまざまなアプリを導入できるという点では、従来機と変わらない。
この2点の特徴により、常にロボホンの稼働情報は管理されており、すぐに故障を検知したり、実装したい機能などがあれば、ネットワーク経由でスムーズに新機能を配信できる仕組みとなっている。
RoBoHoNルームにあるロボホンができることの一例。その内容は日々増えている。
RoBoHoNルームのロボホンは、試験導入時の3月から5月までに、約1.5倍のパターンの問答に対応できるようになっている。これは試験導入時から得られたユーザーのフィードバックを元にロボホンに答えて欲しい機能を追加していった結果だ。
変なホテルとシャープは、今後もコミュニケーションの内容拡充や機能のバージョンアップを予定。ロボホンを通したフロントへの通話や家電連携、モーニングコール、タクシー配車などの機能を検討しているという。
変なホテルは「変わり続けることを約束するホテル」をコンセプトとして掲げる。ロボホンの例のように、その時代のユーザーやホテル経営に必要な最新技術を取り入れ、トライアンドエラーを繰り返していく方針だ。
もしかしたら、次に泊まったときはまた別の体験のできるホテルに生まれ変わっている可能性もあり、新しいもの好きである筆者はそれも1つの楽しみのように思えた。
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(文、撮影:小林優多郎、取材協力:シャープ)
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