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概要:31日の米株式相場は続落、S&P500種株価指数は2カ月ぶりの大幅安となった。米国債市場では2年債利回りが上昇。米連邦公開市場委員会(FOMC)はここ10年余りで初の利下げを決定したが、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長の記者会見での発言が利下げ継続への期待をしぼませた。
パウエル議長発言
Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg
Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg
31日の米株式相場は続落、S&P500種株価指数は2カ月ぶりの大幅安となった。米国債市場では2年債利回りが上昇。米連邦公開市場委員会(FOMC)はここ10年余りで初の利下げを決定したが、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長の記者会見での発言が利下げ継続への期待をしぼませた。
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この日の0.25ポイント利下げは「サイクル半ばでの政策調整」だとパウエル議長が述べ、緩和サイクル開始を必ずしも意味しないことを示唆した後、S&P500種は1.8%安となる場面があった。その後は、追加利下げの可能性は排除していないとの議長発言を受けて下げ渋った。トランプ大統領は、パウエル議長は利下げ幅について「われわれを失望させた」とツイートした。
S&P500種株価指数は前日比1.1%安の2980.38。ダウ工業株30種平均は333.75ドル(1.2%)安の26864.27ドル。ナスダック総合指数は1.2%低下。ニューヨーク時間午後4時59分現在、米10年債利回りは4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の2.01%、2年債利回りは3bp上昇の1.87%。
FOMCはフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジを2-2.25%と、従来から0.25ポイント引き下げた。パウエルFRB議長はこの利下げについて、長期にわたる金融緩和サイクルの開始を示唆したわけではなく、「下振れリスクに対する保険」を意図したものだと説明。経済指標がその必要性を示唆しない限り緩和の継続は急がない金融当局の姿勢が示されたことで、金融市場は荒い値動きとなった。
ニューヨーク原油先物相場は5日続伸。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物9月限は53セント(0.9%)高の1バレル=58.58ドルと、約2週間ぶりの高値で通常取引を終了。ただ、利下げは長期の緩和サイクルの始まりではないとパウエルFRB議長が述べて追加利下げ期待がしぼみ、時間外には上げを失った。ロンドンICEでは、この日が取引最終日となった北海ブレント9月限が45セント高の65.17ドル。
ニューヨーク金市場では、FOMC声明発表とパウエル議長の記者会見後に金スポット相場が下落。RJOフューチャーズのシニアマーケットストラテジスト、ボブ・ヘイバーコーン氏は、「金相場は、これが長期的な利下げサイクルの始まりではないという議長の一言を嫌気している」と電話取材で語った。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物12月限はFOMC声明発表前に、0.3%安の1オンス=1437.80ドルで終えた。
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