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概要:Christopher Beddor [香港 31日 ロイター BREAKINGVIEWS] - フォックスコン・テクノロジー・グループ(鴻海集団)が、野心的な米国生産拠点の拡大計画の見直しという恥ずべき事態に追い込まれたことは、経済の基本的な教訓を示すものだ。 米アップルの「iPhone(アイフォーン)」を生産している同社と米ウィスコンシン州が、米国内製造業の復活という大きな賭けを発表してから2年とたっていない。 郭台銘(テリー・ゴウ)最高経営責
Christopher Beddor
[香港 31日 ロイター BREAKINGVIEWS] - フォックスコン・テクノロジー・グループ(鴻海集団)が、野心的な米国生産拠点の拡大計画の見直しという恥ずべき事態に追い込まれたことは、経済の基本的な教訓を示すものだ。
米アップルの「iPhone(アイフォーン)」を生産している同社と米ウィスコンシン州が、米国内製造業の復活という大きな賭けを発表してから2年とたっていない。
郭台銘(テリー・ゴウ)最高経営責任者(CEO)率いるフォックスコンは今回、液晶ディスプレーパネルを州内で製造しても競争力で劣るとして、工場労働者よりも技術者や研究者を主に雇用する方針を明らかにした。トランプ米大統領の産業復興の夢に、現実の厳しいチェックが入った形だ。
かつては鴻海(ホンハイ)精密工業(2317.TW)として知られ、時価総額320億ドル(約3兆5000億円)のこの台湾企業は、液晶ディスプレーパネル生産用の新拠点を100億ドルかけて同州に建設する計画を2017年に公表した。一定の条件下で40億ドル規模の税制優遇措置や他の優遇措置を受けつつ、多数の新規雇用を生み出すとの触れ込みだった。
トランプ氏はこれを自分の手柄にして、ショベルを手に郭CEOと共に写真に収まり、新工場は「世界の7不思議」に続く8番目の不思議になるだろうと褒めそやした。
フォックスコンは今、計画の縮小や、破棄すら検討していることを示唆している。
同社の幹部社員はロイターに対し、米国労働者の賃金水準が高く、生産コストが高すぎると話した。東南アジアでパネルを生産し、メキシコで組み立てて米国に輸出した方が、フォックスコンにとって利益が多い。ウィスコンシンの工場は「技術ハブ」となる見通しで、工場というよりは研究開発施設に近いだろう。
フォックスコン側はまだ見直し後の計画について詳細は明らかにしていないが、1万3000件の新規雇用を創出する目標は維持するとしている。
しかし、もし郭CEOがブランド評価の著しい低下と引き換えに計画見直しを決めた場合、伝統的な海外生産のパターンや通商のロジックを逆転させてトランプ氏の「ブルーカラーの楽園」を築くことがいかに困難かが、改めて示されたことになるだろう。
フォックスコンがしようとしていることは、他の企業が長年実践してきたことだ。より高価値の研究開発は賃金水準は高いが生産性も高い米国で行い、労働集約型の製造は賃金の安い国で行う、というものだ。
さらに悪いことに、目の玉が飛び出るほど巨額の政府援助をもってしても、この図式は変わらない。予算シンクタンクのウィスコンシン・バジェット・プロジェクトは2017年、フォックスコンに対する税制優遇措置だけで、従業員1人あたり21万9000─58万7000ドルの負担が州に行くことになると試算している。
昨年フォックスコンが採用した従業員数は、州の優遇を即座に受けられる条件に満たなかった。
米ネット通販最大手アマゾン・ドット・コム(AMZN.O)の例を見ても明らかなように、企業はビジネス誘致に熱心な州から搾れるだけ搾り取ろうとしている。今回の件は、「最後の失望」にはならないだろう。
*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。
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