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概要:10─12月期の法人企業統計では、2010年代以降、低下傾向にあった労働分配率が上昇に転じつつある様子が浮き彫りになった。ただ、分配の元手となる付加価値が景気減速で減益となる一方、人手不足などに伴って人件費が増えたことが背景となっており、企業から個々の働き手への還元が進んでいるとまでは言えない状況だ。 大和総研チーフマーケットエコノミストの岩下真理氏が独自の計算式で試算した労働分配率は、原数値で45.05%。昨年同期の43.94%から上昇している
[東京 1日 ロイター] - 10─12月期の法人企業統計では、2010年代以降、低下傾向にあった労働分配率が上昇に転じつつある様子が浮き彫りになった。ただ、分配の元手となる付加価値が景気減速で減益となる一方、人手不足などに伴って人件費が増えたことが背景となっており、企業から個々の働き手への還元が進んでいるとまでは言えない状況だ。
大和総研チーフマーケットエコノミストの岩下真理氏が独自の計算式で試算した労働分配率は、原数値で45.05%。昨年同期の43.94%から上昇していることがわかった。
農林中金総合研究所・主席研究員の南武志氏の試算でも、61.3%(季節調整済み)と2四半期連続で上昇、16年4-6月期の水準まで一気に高まった。
長期にわたり、企業が賃金を抑制してきたとの批判が高まっていた中での労働分配率の上昇は、表面的には、ようやく企業の収益が賃金に還元され始めたようにも見える。
実際、17年度までの過去6年間、企業の利益は右肩上がりで拡大し、生産性にあたる「一人当たり付加価値額」も上昇の一途をたどってきた。本来であれば生産性向上に連動して賃金が上昇するはずだが、企業が人件費を抑制して利益水準を確保。結果として内部留保をため込んできた。(下図参照)。
今回の法人企業統計では、労働分配率が継続して上昇していることがようやく確認できた。しかし、その背景について、農林中金総研の南氏は「企業から先の雇用者への還元が強まったわけではない」と厳しい見方を示す。
同氏によると、フルタイム労働者の不足に伴う供給制約に対応するため、女性や高齢者などパートの雇用が増え、昨年7─9月以降の前年比増加率はそれまでの1─2%台から3─4%台に上昇している。パート従業員の賃金水準は低いとはいえ人数の増加により、人件費は3-5%台の伸びを続けている。
一方で、労働分配率の分母となる付加価値は、中国経済の減速に端を発した需要伸び悩みや原材料費の増加で減少に転じている。
労働分配率の増加は、雇用増に対して付加価値がさほど伸びなかったことが要因というかたちだ。付加価値が向上し、それが適正に賃金に配分される構図に至ったと判断できる状況では、まだなさそうだ。
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