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概要:ピエール瀧容疑者逮捕発表を受けた後のメディア各社の反応は素早かった。素早い自粛は、何を象徴しているのか。
す、するどい。感動してメモってしまった。コンプライアンスをめぐる「判断停止」な感じを、端的に表している。
ちなみに2問目は「budget」で、河北さんは「お金がない」と訳している。要は、その英語を使う時の状況を日本語にしているのだと思われる。
そこで「大人の事情」を広辞苑風に表現し直せば、「とにかく叱られないように防御的に振る舞うこと。意見を交わすより前に、そのように決めることも指す」だろうか。
歌手で俳優のピエール瀧容疑者が、麻薬取締法違反容疑(使用)で逮捕された。彼のコンテンツが、いろいろ世の中から消えている。自粛だ。
なんで? と考えると、コンプライアンスに行き着く。「法令遵守」ではなく、「大人の事情」であるところの「コンプライアンス」。
息苦しいなあ、と思う。逮捕、即、自粛。
今回は異論も表明されている。だが、そんなものを検討する間もなく、即、決定。考えるより、すばやい防御。それがビジネス的な正しさ。そういう世の中。違和感ありまくりなのは、私だけではないはずだ。
「番組自粛では何も解決しない」
音楽家の坂本龍一さん。2018年ベルリン国際映画祭にて。
GettyImages/Thomas Niedermueller
大友さんが最初にツイートした翌日、坂本龍一さんもTwitterで意見を表明した。
「株主がいるから、消費者がいるから、ハレーションを起こさないように」。これが今の日本でビジネス活動をしている人の多数派の考えだ。
FangXiaNuo/shutterstock
番組ではこの後、石野卓球さんの単独イベントも中止になり、彼がTwitterで「だとよ」とだけつぶやいたことも紹介された。
坂上忍さんが「バイキング」(フジテレビ系)で語ったという「コンビで片方捕まって、相方が『だとよ』って答えたら、どえらい顰蹙買うだろうね」という言葉が紹介された。萱野教授は「(石野さんが)知らなかったですかって、周りは思うでしょうし」と補足していた。
石野さんに対し予測される株主の目線を示し、「イベント中止」という企業の判断を肯定した。ごく短い、わかりやすい「コンプライアンス講座part2」だった。
萱野教授の解説は、今の日本でビジネス活動をしている人の多数派の考えだと思う。株主がいるから、消費者がいるから、ハレーションを起こさないように、無難に動きましょうよ。独自の判断をして大炎上したら、元も子もないでしょう。そういう考えだ。
確かに、瀧容疑者のコンテンツをそのまま存続させることは、彼の薬物使用という犯罪容疑を肯定することになる、と考える人もいるだろう。そのことはわかった上で、窮屈だなあと思う。
「コンプライアンス」という名のもとに、窮屈さが加速している。もっと言うなら「コンプライアンス」という言葉以前に、「大人の事情」という思考停止が当たり前になっている。
これって本当に、ビジネスのためになっているのだろうか。
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矢部万紀子(やべ・まきこ):1961年生まれ。コラムニスト。1983年朝日新聞社に入社、「AERA」や経済部、「週刊朝日」などに所属。「週刊朝日」で担当した松本人志著『遺書』『松本』がミリオンセラーに。「AERA」編集長代理、書籍編集部長を務めた後、2011年退社。シニア女性誌「いきいき(現「ハルメク」)」編集長に。2017年に退社し、フリーに。著書に『朝ドラには働く女子の本音が詰まってる』。最新刊に『美智子さまという奇跡』。
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