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概要:ふつうの暮らしができれば十分。でも、そのためにはリスク覚悟の投資でお金を増やさなきゃ——。全く先が見えない時代を迎え、そんな切実な思いを持つ若者が目立ち始めた。
積極的に株への投資に取り組むショウさんだが、「仮想通貨やFXはリスクが高すぎる。そこまでの冒険はしたくない」と冷静な一面も見せる。
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投資先は、口座を持つスマホ証券・スマートプラスのアプリで読める他のユーザーたちの口コミや、経済誌の記事を参考にして選ぶ。
最近は月々の手取り17万円ほどのうち、4万円くらいを株購入に回す。投信の積み立てに2万円、貯金に3万円ほどをあて、数万円を実家に入れる。個別株への投資残高は100万円ほどだが、ほぼ損益トントンだという。
「仮想通貨やFX(外国為替証拠金取引)はリスクが高すぎる。そこまでの冒険はしたくない。もちろん株や投信にもリスクはありますが、長い目で見て年2、3%くらいの利回りは確保したいので。
お金がかかる趣味もないし、自分の家があって、心配することなくふつうの暮らしができれば、それで十分なんです」
投資に積極的なのは40・50代より30代
「45歳くらいでアーリーリタイアしてバリ島に移住する」。これがダイスケさんの目標だが、ぜいたくな暮らしを望んでいるわけではない。
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東京都内の金融機関に勤める30代前半のダイスケさん(仮名)は5年ほど前から、手取り収入のうち生活費と海外旅行費以外のほぼすべてを個別株への投資に回している。
年収は700万円ほど。月35万円ほどの手取りから、株購入に15万円前後をあてる。
仕事柄、経済ニュースには敏感だ。「5G基地局」「空気電池」といった旬のテーマに関連する銘柄のなかから、PBR(株価純資産倍率)や配当利回りといったデータも参考に投資先を選ぶ。直近の投資残高は1千数百万円規模で、100万円単位の利益が出ているという。
「今の会社がつぶれるんじゃないか、という心配はしていません。国の年金制度に不安はありますが、このまま定年まで勤めれば退職金も企業年金も出るはずなので、ふつうに暮らす分にはそれで十分でしょう」
では、なぜそこまでリスクを取って投資に取り組むのだろうか?「45歳くらいでアーリーリタイアしてバリ島に移住する」という目標があるからだ。
お金が目的になると「おかしな方向」へ
「お金はあるに越したことはないですが、自分が楽しいと思う暮らしを実現するための手段にすぎません」。ダイスケさんの価値観は明快だ。
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自炊が基本。お酒はほとんど飲まないので友人と外食してもそんなにお金はかからない。私服も大して買わない。独り暮らしの1Kの部屋には会社の家賃補助も出ている。
唯一、ダイスケさんが情熱を傾けている趣味がサーフィンだ。「波がすごくいい」とほれ込んだバリへの年3回のサーフィン旅行が、プライベートの出費の大きな部分を占めている。
アーリーリタイアに向けた資産形成の目標額は1億円。大金とはいえ残りの人生の長さを考えれば、とてもぜいたくな暮らしはできない。
「サーフィンさえ思い切り楽しめればいい。後はふつうにご飯が食べられて、毎日お風呂に入れれば満足です」
万一、投資で大失敗したら?資産は大きく減っても借金を抱えるわけではない。定年まで今の会社で働き、後は退職金や年金で質素に暮らせばいい。そう割り切っている。
「お金持ちの世界というのがあるのかもしれませんが、魅力は全然感じません。僕の友達は高いお店には誘いにくいですし。
お金はあるに越したことはないですが、自分が楽しいと思う暮らしを実現するための手段にすぎません。単なる手段が目的になってしまうと、おかしな方向へ行ってしまいますからね」
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