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概要:Swaha Pattanaik [ロンドン 30日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 英国の欧州連合(EU)離脱を控え、アイルランドが欧州中央銀行(ECB)の勢力圏から抜け落ちようとしている。ドラギECB総裁は現在、追加利下げを約束したに等しい状態だ。それなのにアイルランドの10年物国債利回りはドイツやフランスの国債利回りからますますかい離し、隣の英国のそれに接近している。原因は、英国が無秩序な形でEUを離脱するとの懸念が強まっていることにある。 英国
Swaha Pattanaik
[ロンドン 30日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 英国の欧州連合(EU)離脱を控え、アイルランドが欧州中央銀行(ECB)の勢力圏から抜け落ちようとしている。ドラギECB総裁は現在、追加利下げを約束したに等しい状態だ。それなのにアイルランドの10年物国債利回りはドイツやフランスの国債利回りからますますかい離し、隣の英国のそれに接近している。原因は、英国が無秩序な形でEUを離脱するとの懸念が強まっていることにある。
英国は「何があろうとも」10月31日にEUを離脱するというジョンソン新首相の主張により、金融市場で最大の犠牲を被っているのは英ポンドだ。ジョンソン氏が先週首相に就任して以来、ポンドはドルに対して2%超下落した。しかしアイルランドにとって最大の貿易相手国である英国が悪い事態に陥れば、アイルランド経済にも損害は及ぶ。
30日の10年物アイルランド国債利回りは0.22%と、5日の水準の2倍以上に上昇した。さらに多くを物語るのは、10年物ドイツ国債との利回り格差が63ベーシスポイント(bp)に拡大したことだ。その上、英10年物国債利回りは現在、アイルランド10年物を47bpしか上回っていない。今月2日にはこの差が約68bpだった。
英国の「合意なきEU離脱」によって最大の悪影響を被るのが英経済だとすれば、アイルランド国債が英国債以上に売られているのは奇妙に見えるかもしれない。問題は、英国と違いアイルランドは自国通貨を持たず、金融政策をコントロールできないことにある。
英国債相場は、合意なき離脱の場合にはイングランド銀行(英中央銀行)が利下げを実施し、債券買い入れの再開にまで踏み込むかもしれないとの期待に支えられている。しかしドラギECB総裁はユーロ圏の金融政策をアイルランド向きにあつらえることができない。
つまりアイルランド政府は経済に打撃が及んだ場合、それを吸収するために財政政策に比重をかけざるを得ない。同国のドナフー財務相は先月、合意なき英離脱の場合には、財政赤字を国内総生産(GDP)の0.5─1.5%まで拡大させると表明し、財政黒字に戻るには3、4年を要するとの見通しを示した。国家債務が総国民所得(GNI)の100%前後で推移しているアイルランドにとって、これは大きな方向転換だ。英国のEU離脱に伴うこうした悪影響があらわになればなるほど、ECBの求心力は弱まるだろう。
●背景となるニュース
*ジョンソン英首相とアイルランドのバラッカー首相との電話会談後に英首相府が出した声明によると、ジョンソン首相は「英国は何があろうとも10月31日にEUを離脱することを明確にした」
*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。
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