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概要:米銀行業界にとって9日は悪い一日となった。KBW銀行株指数は一時8.1%安と、2020年6月以来の下落率を記録。同指数の構成銘柄で最も大きく下げたのがシリコンバレー銀行の親会社SVBファイナンシャル・グループで、同銘柄は60%安で取引を終えた。
たが、問題はまさにこの点にある。SVBは8日遅く、ポートフォリオから証券約210億ドル相当を売却したと発表し、市場を驚かせた。SVBはまた、普通株12億5000万ドルと転換権付き優先株に関係する証券5億ドルを発行。さらに、ジェネラル・アトランティックが普通株5億ドルの買い入れを約束し、合わせて約22億5000万ドルの資金を集めた。
はっきり言って、資金調達が急に必要になることは、銀行にとって決して見栄えが良くない。しかし、誰もが驚いたのは、 SVBが挙げた増資を必要とする理由だ。シリコンバレー銀行の顧客であるスタートアップが預金を引き出しているという。
それも当然だ。米連邦準備制度の積極的な利上げで投資家が慎重姿勢を強め、特に米経済のリセッション(景気後退)が不可避との懸念の中で、ベンチャーキャピタルからのファイナンスは枯渇しつつある。ベンチャーキャピタルのパーテック・パートナーズによると、こうしたファイナンスは昨年35%減少した。
SVBは米国のベンチャーキャピタルが出資するスタートアップのほぼ半数と取引しており、米ベンチャーキャピタルが支援するテクノロジーおよびヘルスケア企業で昨年上場した企業の44%は同社顧客だったと、ブルームバーグ・ニュースは報じた。
インフレ退治のための米利上げがこうした企業のバリュエーションを押し下げ、各社は資金集めに走らざるを得ず、関連セクターは厳しい状況に陥っているともブルームバーグ・ニュースは伝えている。
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SVBのグレッグ・ベッカー最高経営責任者(CEO)は8日の株主宛て書簡で、「金利の上昇が続き、公募および私募市場が圧迫され、顧客のキャッシュバーン(現金燃焼)水準が事業投資に伴い上昇すると予想されるため、これらの措置を講じている」と説明した。
テクノロジーやスタートアップが経済にとってどれほど重要であるかをどんなに強調してもし過ぎることはないだろう。世界経済フォーラム(WEF)は昨年5月に公表したリポートで、スタートアップ企業が世界で生み出した価値は主要7カ国(G7)経済の国内総生産(GDP)にほぼ匹敵し、スタートアップ企業の資金調達額は21年に世界で6000億ドルを突破したと指摘した。
メタ・プラットフォームズやアップル、アマゾン・ドット・コム、ネットフリックス、グーグルの親会社アルファベットなどの代表的なテクノロジー銘柄をカバーするNYSE・FANG+指数は、16年から21年後半にかけて700%余り急騰。S&P500種株価指数の150%高を大きく超える上昇となったが、その後、NYSE・FANG+指数は約32%下落している。
テクノロジー業界の人員削減は増えるばかりだ。チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマスは9日、2月に発表された同業界の人員削減は2万442人で、次に多かった小売業の8544人を大きく引き離したことを明らかにした。
昨年3月までゼロに近かった米国の政策金利が、今では4.75%になっている。それでも、米経済はほとんどの人々が予想していたようなリセッションを回避している。シリコンバレー銀行の問題は、不況の到来を告げる最初の兆候なのかもしれない。その意味で、あまりなじみのないこの銀行が誰であれ不安にさせるのも無理はない。
(ロバート・バージェス氏はブルームバーグ・オピニオンのエグゼクティブエディターです。このコラムの内容は必ずしも編集部やブルームバーグ・エル・ピー、オーナーらの意見を反映するものではありません)
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